ワイキキビーチを望むテラス席のパンケーキカフェ

え、敦賀にハワイ?北陸の海から生まれたブルーなドリンクの話【後編】

前編ではドリンクそのものの魅力をお届けしました。後編では、ブランド誕生の背景と、開発者・大道(だいどう)哲平さんのハワイへの想いに迫ります。なぜ水島なのか、なぜハワイなのか——インタビューを通して、そのストーリーを紐解いていきます。

北陸に“ハワイ”がある?無人島・水島から生まれたブルービールの物語

水島ブルー


「北陸のハワイ」と呼ばれる場所があるのをご存じでしょうか?その名は水島(みずしま)。日本海に面した港町・福井県敦賀市の沖合に浮かぶ小さな無人島です。この水島をテーマにしたクラフトビール 「Mizushima Blue 北陸のハワイ」が、2024年に誕生しました。そして2026年4月20日からは、新作となる「Mizushima Blue 北陸のハワイ Ginger Beer ALOHA LILIKOI」の販売もスタート。今回、その開発を手がけた大道哲平さんに、ビール誕生の背景と“ハワイへの想い”を伺いました。

「北陸のハワイ」はこうして生まれた

水島ブルー

「北陸のハワイ」という呼び名がいつ、誰によって生まれたのかを示す公式な記録はありません。ただ、日本では40〜50年前、“海外旅行といえばハワイ”という時代背景があり、各地には“〇〇のハワイ”と呼ばれる場所が数多くありました。

その中で「北陸のハワイ」という言葉が広く知られるようになったのは、比較的最近の2010年代に入ってから。それ以前の水島は、地元の人や一部の海水浴客に親しまれる“穴場スポット”として静かに愛されていました。

転機となったのは2010年代前半〜半ば。個人ブログや旅行系まとめサイトが水島を「北陸のハワイと呼ばれる絶景」と紹介し始めたことで、この呼び名が一気に広まりました。水島は夏季限定(7月中旬〜8月末)で渡ることができる無人島で、漁村から出る遊覧船に乗ってわずか10分。驚くほど透明度の高い海と白砂のビーチが広がり、その景観が「まるでハワイみたい」と話題になったのです。

ハワイが大好きな旅行会社社長の転機

大道さんは、敦賀市で旅行会社を営みながら、長年“ハワイ一筋”のハワイファン。自社のお客様の海外旅行先はハワイが約50%を占めているという統計もあり、大道さん自身も、日々お客様をハワイへ送り出すことで、この土地とハワイのつながりを肌で感じてきました。

さらに、敦賀市への地元愛も人一倍強い大道さん。「いつか敦賀市とハワイのどこかの街を、姉妹都市としてつなげたい」そんな夢も描いていたといいます。

ところが、2020年。新型コロナウイルスの影響で人の移動が止まり、旅行業界は大打撃を受けました。「別の形でハワイとつながれないか」旅行会社としての運営が厳しくなる中、大道さんが考えたのは、“旅行以外の形で、ハワイとつながる方法”。そこで始めたのが、ハワイのアイテムを日本に届ける物販事業でした。パンケーキミックス、はちみつ、ビールなど、日本でも人気の高い商品を現地から厳選。地元の人たちに“ハワイを感じてもらう”ことで収入を得ながら、同時にハワイともつながり続ける——そんな新しい日常が生まれました。

北陸新幹線延伸がもたらした新たなひらめき

そんな中で舞い込んできたのが、北陸新幹線が金沢から敦賀まで延伸されるというニュース。開通日は2024年3月16日。「これから東京方面から、たくさんの人が敦賀に来てくれるかもしれない」そう思うと、嬉しさがこみ上げたといいます。

一方で、気になったこともありました。「敦賀のお土産って、何があるんだろう?」調べてみると、意外にも“これ”といった代表的なお土産がない。せっかく訪れても、思い出として持ち帰れるものが少ない——。そこで再び、大道さんの“地元愛”と“ハワイ愛”が動き出します。

「敦賀 × ハワイ」で魅力を伝えるという発想

大道さんが目を向けたのが、敦賀の沖に浮かぶ無人島・水島でした。関西圏ではすでに知られている場所でも、関東圏の人に「敦賀市」と言っても、なかなかイメージが湧きにくい。だったら——「敦賀」単体ではなく、「ハワイと結びつけて伝えたらどうだろう?」水島=北陸のハワイ。この切り口なら、敦賀の魅力がもっと分かりやすく伝わるかもしれない。

つくるなら、体験そのものが“ハワイ”なビールを

「さて、何がいいだろう——」敦賀のお土産として、ハワイとのつながりを感じてもらえるもの。あれこれ考え抜いた末に、大道さんがたどり着いた答えがクラフトビールでした。

ただ、ここでひとつ大きな壁が立ちはだかります。「南国を感じることができて、色は水島のような青いビールにしたい。」そんな思いを胸に、福井県内のビール醸造所を回りましたが、なかなか賛同を得られませんでした。最終的に、大道さんは同じ北陸地域であるお隣・石川県のクラフトビール醸造所へ自ら足を運び、想いを伝えることに。「敦賀のために、そして水島=北陸のハワイを伝えるビールをつくりたい」その熱意に醸造所の方も心を打たれ、「それなら一緒につくりましょう。敦賀のビールを」と、開発がスタートします。

 

水島ブルー

視覚も味覚も、ハワイにつながる“ブルービール”。大道さんが求めたのは、ただのクラフトビールではありませんでした。「飲むことで、ハワイとつながる体験をしてほしい」味はもちろん、見た目でもハワイを感じられるものにしたい——そんな少し難しいリクエストを形にするため、試行錯誤を重ねた結果、たどり着いたのがクチナシの花。天然素材を使い、南国の海を思わせる美しいブルーのビールがついに完成します。グラスに注いだ瞬間、「え、こんな色のビール、見たことない!」と驚くような一杯でした。

カカアコで出会った“ブルータイガー”との運命

水島ブルー

そしてもうひとつ、大道さんがとても大切にしたのがボトルのラベルデザイン。偶然、ハワイ・カカアコを歩いていたときのこと。ふと目に飛び込んできたのが、強烈なブルーが印象的な“タイガー”のウォールアートでした。「これだ——」一目惚れしたその作品の作者が、アーティストのキム・シエルベックさん(@kimsielbeck)。大道さんはすぐに想いを伝え、ラベルデザインをオファー。こうして、Mizushima Blue 北陸のハワイの世界観を象徴する、印象的なラベルが誕生しました。

新幹線開通の日に生まれた、新しい“敦賀のお土産”。そして迎えた、2024年3月16日。北陸新幹線が敦賀まで延伸開業した、まさにその日に——「Mizushima Blue 北陸のハワイ」は発売されました。“敦賀にハワイ?” “ラベルがかわいい!” そんな声とともに、観光客のお土産として人気は一気に広がっていきます。

ハワイへの想いは、支援という形でも

水島ブルー

マウイへの寄付時に撮影された写真。左からマウイ郡長ビッセン氏、中央が開発者の大道さん。

Mizushima Blue 北陸のハワイには、もうひとつの大切な想いが込められていました。それは、ハワイへの恩返し。大道さんは、「何か少しでもハワイの役に立ちたい」と考え、ビールの売上の1%を、2023年の大火災で被災したマウイ島・ラハイナの復興支援として寄付することを決断します。この想いは購入者にも共感を呼び、「飲むことで応援できるビール」として、さらに支持を集める存在に。こうして、Mizushima Blue 北陸のハワイは敦賀・水島・ハワイをつなぐ一本として、多くの人の手に届いていきました。

次なる挑戦は、ノンアルコールという選択肢

Mizushima Blue 北陸のハワイの誕生を経て、大道さんの中には次の構想がすでにありました。それが、ノンアルコールビール(ジンジャービア)の開発です。そして、「ノンアルコール版の発売が決まれば、そのニュースをぜひハワイでも共有したい」——そんな想いから、この新しいチャレンジは始まりました。

「かわいいのに、売れない?」現場のリアルな声

先に誕生したMizushima Blue 北陸のハワイは、「ラベルがかわいい!」「ハワイっぽくて素敵!」と評判に。ハワイ好きな人たちが営むお土産屋さんやセレクトショップ、雑貨店からも「ぜひ置きたい」という声が数多く寄せられました。

ところが、ここで思わぬ壁が…。アルコールを扱うには、酒類販売の免許が必要。そのため、雑貨店や期間限定ショップ、さらには学生主催の夏イベントやフライベントなどでは販売ができなかったのです。

「せっかく興味を持ってもらっても、届けられないのがもどかしい」そこで大道さんが考えたのが、ノンアルコール版の開発。ノンアルコールであれば、
•    販売できる場所が一気に広がる
•    年齢やシーンを問わず楽しめる
•    イベントやポップアップでも扱いやすい

結果として、敦賀 × 水島 × ハワイファンのつながりを、さらに強くできる。「これは、やるしかない」——そうして誕生したのが、「Mizushima Blue 北陸のハワイ Ginger Beer ALOHA LILIKOI(ノンアルコール)」です。

ハワイでも紹介したいからこそ、原材料にもこだわる

水島ブルー


このジンジャービアは、開発段階から“将来、ハワイでも紹介したい”という構想のもとにつくられました。そこで問題になったのが、色。アルコール版で使われていたクチナシの花は、実はアメリカの食品基準では使用が認められていない原材料。「それなら、最初から海外基準をクリアする色にしよう」そうして選ばれたのが、スピルリナ。自然由来で、安全性が高く、世界的にも使われている素材です。こうして完成したのは、美しいブルーのノンアルコール・ジンジャービア。見た目も、コンセプトも、しっかり“世界”を見据えた一本となりました。

ラベルを手がけたのは、もう一人の“ハワイの仲間”

水島ブルー


ノンアルコールのMizushima Blue 北陸のハワイ Ginger Beer ALOHA LILIKOI。その世界観を形にするうえで欠かせなかったのが、ラベルデザインでした。今回ラベルを手がけたのは、ハワイ在住アーティストのスザンヌ・ジェネリックさん(@suzannejennerich)。実はこの出会いも、まるでハワイらしい“偶然”から始まっています。

京都のハワイ展での、運命的な出会い

2023年、京都の高島屋で開催されていたハワイ展。そこでスザンヌさんは、自身の作品を販売するために出店していました。

このハワイ展のコーディネーターを務めていたのが、「Mizushima Blue 北陸のハワイ」にも関わっていた Yuriko Galura さん。Yuriko さんが「京都から約1時間で行ける敦賀に、せっかくだから遊びに行ってみない?」と声をかけると、スザンヌさんは迷いなく「行ってみたい!」と返事をしたそうです。

「北陸のハワイ」を一緒に体感する

後日、本当に敦賀を訪れたスザンヌさん。大道さんと一緒に向かったのは、水島——北陸のハワイと呼ばれる無人島です。水島の話をすると、スザンヌさんは海を見て一言。「泳ぐ!」そしてそのまま、躊躇なく海へ。気づけば二人で一緒に、水島の海を泳ぐことになったそう。透明度の高い水、白い砂浜、開放感あふれる空間。言葉を交わさなくても、「ここは特別な場所だ」という感覚が、自然と共有されていきました。

想いに共鳴し、ラベルデザインへ

水島ブルー

敦賀とハワイをつなぎたい。水島という場所をきっかけに、人と人が出会い、広がっていく——。大道さんのそんな熱い想いに、スザンヌさんは持ち前の好奇心とパッションで応えます。「ぜひ、そのジンジャービアのラベルを描かせて」こうして、敦賀・水島・ハワイ、そして人と人をつなぐノンアルコール・ジンジャービアのラベルが生まれることになりました。

人との出会いが、また次の物語をつくる

Mizushima Blue 北陸のハワイ Ginger Beer ALOHA LILIKOIのプロジェクトを通して見えてくるのは、商品づくり以上に、人との出会いが生むストーリー。偶然の出会いに声をかける勇気。想いに共鳴して「行くわ!」と応える軽やかさ。そして、同じ海に飛び込む行動力。そんなひとつひとつが重なって、ノンアルコールという新しい形の“北陸のハワイ”が完成しました。

2026年4月20日より販売がスタートしたMizushima Blue 北陸のハワイ Ginger Beer ALOHA LILIKOI。その一本には、敦賀の風景と、ハワイのスピリット、そして人をつなぐストーリーが込められています。

北陸のハワイを、東京・大阪・福井で

クラフトビールのMizushima Blue 北陸のハワイ、ノンアルコールのMizushima Blue 北陸のハワイ Ginger Beer ALOHA LILIKOIはともに、敦賀を訪れた人だけの特別な思い出にとどまらず、各地で手に取ることができます。

•    東京・銀座:福井県アンテナショップ(ふくい食の國291)
•    大阪駅前KITTE大阪の福井県アンテナショップ(HOKURIKU+)
•    福井県内の主たるお土産店
•    駅ナカ施設「駅の道」
などの日本国内の取扱店、またはオンラインででも購入できます。今後さらに、取り扱いの場所は広がっていく予定です。


北陸の無人島・水島から生まれた、“ハワイを感じるブルーな一杯”。旅先でも、日常の中でも、このドリンクをきっかけに、敦賀とハワイ、そして人と人がつながっていく——そんな物語が、これからも広がっていき、早くハワイでも楽しめる日々がくるのが楽しみです。