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    第11回ベビーシャワー


    ●ベビーの誕生前に内緒で開くパーティー
    「ベビーシャワー」って、何だかご存知ですか? 聞きなれない言葉だと思いますが、それもそのはず。日本にはないアメリカならではの習慣で、「ベビーの誕生前に開くお祝いのパーティー」のことなのです。この楽しいパーティーのあれこれを一挙にご紹介しましょう。

    日本では、「知り合いに赤ちゃんが誕生した」と聞くと、母子の体調を確認してから、早過ぎず、また遅からずといったタイミングでお祝いを届けるのが常識ですよね。でも、アメリカでは、赤ちゃんの誕生前に女友達が主催して「ベビーシャワー」という軽いパーティーを開いてプレゼントを持ち寄るのが一般的なのです。ベビーシャワーは妊婦本人には内緒で企画され、当日思いっきり驚かせる「サプライズ」形式が伝統的で人気のようです。突然、大勢の友人たちが一堂に会して、かわいらしいベビー服や赤ちゃんグッズを、「まるでシャワーが降り注ぐかのように」贈ってくれるのですから(語源はここからか?)、大抵のプレママは感激して涙、涙... 大いに盛り上がるという訳です。ちなみにプレゼントはパーティーの最後に開けられ、参加者一同「キャー、カワイイ」とか「ワーオ、ナイス〜」といった歓声を上げながらじっくり拝見します。出産の経験や年齢にかかわらず、大抵の女性ならベビー用品は見るのも買うのも大好きなはず。ならばみんなでこの楽しみを分かち合いましょ! って感じのノリですね。

    当然、パーティーの性格上、男女同伴のベビーシャワー(たまにはありますよ)よりは、女性だけのほうが盛り上がります。場所も、女性好みのちょっとオシャレで肩の凝らないレストランで、ということが多いようです。これまでに私が参加したベビーシャワーを振り返っても、カジュアルなイタリアン・レストランでのランチ、和食レストランのランチ、シェラトン・モアナ・サーフライダーホテルでのアフタヌーンティーなどでしたから...

    事前に本人から必要なものをリストアップ
    ベビーシャワーのもう1つの特長は、友人たちが事前に本人から必要なもののリストを聞いて、参加者にそのリストの中からプレゼントの品物を選ぶようにお膳立てすることです。初産の時には揃えるものも多く、全部自分で揃えるとなると費用もバカになりませんよね。合理的なアメリカ人は、パーティーを楽しみつつも、周囲の人達で必要なものを揃えてあげるという訳です。このさりげない思いやりに「粋だな〜」と感心するのは私だけかしら? でも、とってもアメリカっぽくていいと思いませんか? 

    ちなみに、ベビーベッドやロッキング・チェアなどの大型家具類は本人や親兄弟らが揃え、カーシートなどの中型グッズやベビー服などは友人・知人が揃えるのが一般的です。これは金額的にも頷けるところで、友人としてのプレゼントなら20ドルから40ドルくらいが相場なので、何人かが集まって少し値の張るものを贈るとしても、中型グッズならちょうど予算内に収まるという訳です。こうして初めてのお産の時に必要な品は贈られるので、その後、第2子以降の出産の時にはベビーシャワーはやらないか、もしくは規模をずっと小さくして、友人同士の集まり程度のものをするようです(ちなみに、私も今回は特にイベントはなし。友人達が足りないもの、壊れたものはないかを聞いてくれ、ちゃっかり欲しかったバウンサー・シートなどをゲットした次第です)。

    愛情のシャワーも注ぐのがベビーシャワー
    でも、「まだ出産が無事に済むかどうかも分からないのに、お祝いなんてしちゃって大丈夫なの〜?」という声が聞こえてきそうですよね。確かにそれも一理あります。が、私の解釈では、出産が迫れば否がおうでも必要品はそろえる訳だし、それを助けて上げつつ、周囲が一丸となって出産の無事(グッド・ラック)を共に願うといった意味合いがあるように思います。どうやら、贈り物のシャワーだけでなく愛情のシャワーも注ぐのが「ベビーシャワー」の本来の語源といえそうです。

    さて、5年前のステフの出産時は、ベビーシャワーに恵まれるべき初産だったにもかかわらず、ほぼ「寝たきり妊婦」だった私。加えて、食事制限があり外食が難しかったこともあって、オシャレなレストランでのゴージャスなベビーシャワーは夢と消えてしまいました(悲し〜) 。でも、友は私を見捨てなかった!! ろくにベビー用品の買い物にすら行けない身を案じてか、まず職場の友人一同が中心となってお祝いを「かき集めて」くれました。長年勤務した会社でもあり、24時間同じ釜のメシを食べた仲間達が(ハイ、結構体育会系のノリでないと勤まらない激務の日々であったのです)たくさんいたので、顔見知りを総ざらいしたらしく、約70人もの同僚・上司から「一口5ドルで口数に上限はナシ」という、ほとんどカンパ! のお祝いを頂きました。カーシート、ベビーバス、スウィング、タオルやシーツ類、哺乳びんやその洗浄機、洋服(新生児から1歳まで)、ダイパーバッグ、紙おむつなど、必需品のほぼ全てが網羅されていたのにはビックリ! 仲良しの同僚2人(ママさんでもある)が、経験を生かした賢い買い物をしてくれたとのこと。感謝! 我が家まで届けてくれた時に「ミニシャワー」ならぬ食事会を催しました。

    また、ごく親しい友人夫婦4組も、プレイペンや小物をそろえて訪ねてくれ、これも我が家で食事会です。私の食べられそうなものを捜した結果、なんとコリアンBBQというシャワーらしからぬメニューでしたが、そこはご愛嬌。楽しい一時を過ごすことができ、これが私にとっての思い出の「ベビーシャワー」となりました。

    ●ハッピーな気持ちで臨月を
    遠くカリフォルニアに住む主人の幼なじみ達のネットワークも有り難く、クリブ(ベビーベッドのこと。マットレスが日本のベビーベッドの2倍はあって、柵も高さがあるので、2歳になるくらいまでは十分使えます)用の寝具一式など、結構値段の張るものをドーンと揃えてくれました。

    こうして振り返ってみると、必要品のリストを訊ねる事が当然というベビーシャワーのシステムのお陰で、私も遠慮なく足りない物をリクエストすることが出来、その結果、こんなにいろんな人たちからお祝いを頂いたにもかかわらず、ダブルブッキングは皆無でした。また、出産後に頂いたお祝いもたくさんありましたが、ベビーシャワーで必要品が揃っているという前提で品物を選んでくれているせいか、いくつあっても困らない洋服や、ちょっと先で使える本やオモチャなどが多く、大助かりでした。これらのベビー用品は、次女クリスの番がくる前に余所へ貸し出したりもして使い回し、今も我が家で活躍中です。

    こうして出産直前に巻き起こった「ベビーシャワー」の嵐。妊娠中の経過がスムーズとはいえなかっただけに、何かと心配事が先に立っていたのですが、これを機に心機一転。すごくハッピーな気持ちで臨月を迎えることができたのです。「これだけの人たちに応援されてるんだもの、ちゃんと産めない訳はない」と、確信すら湧いてきました。やっぱり「ベビーシャワー」の効果は絶大といえそうですね!

    プロフィール(わたしと家族の紹介)

    わたし:愛称「がっちゃん」こと前田和子。ハワイ在住14年目。オペレーション・スーパーバイザーとして大手旅行社に勤務後、長女出産。「ハワイの歩き方」のエディター(育児休職中)で、現在2人の女児(4歳、5ヶ月)の育児に奮闘中。只今の生き甲斐は、子供たちが寝た後にホッとしていただくコーヒーと速読(ヤレヤレ)。
    パパ:ぎりぎり49歳で2女の父になった超遅咲きパパ。ゴルフ三昧の定年人生は望むべくもなく、愛娘のために「死ぬまで働きつづける」のが今後の課題。職業はハワイ諸島の開発予定地の発掘調査を手がける考古学者。特技は子供を放りなげ続けるプール遊び。(当然ながら子供には超好かれます。ここまで体張って遊んでくれる大人はめったにいません)。
    ステフ:長女。現在4歳半。妹を「マイベイビー」と自慢のタネにするのが得意。将来の夢はバレリーナと公言しつつレッスンに通うが、いまだにスキップができない。起き抜けに1枚、食後に1枚、寝しなに1枚と、お絵かきがやめられない元気いっぱいのプリスクール児。園ではクイン君という熱狂的なファン約1名を従えている。
    クリス:次女。2001年9月11日に生まれた強運の持ち主。特技は、夜ひとりで勝手に眠れること。最近自分の足を発見したことがうれしくてたまらない5ヶ月児。腹ばいは苦手。愛称はちいちゃん(ミドルネームがちのちゃんです)だが、近頃はちーちー→ちーにまで簡略化されている。